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第8回牧場雑学講座

皆さんこんにちは!

鷲頭牧場、更新担当の中西です。

 

本日は第8回牧場雑学講座!

今回は、鉄則についてです。

食用牛の育成(牧場経営)は、牛の健康管理・飼料の選定・環境の最適化を徹底することで、高品質な牛肉を生産する重要な仕事です。特に、和牛の育成は世界的にも高度な技術が求められ、肉質や風味を決定づける要素が細かく管理されています。


1. 食用牛育成の基本原則

食用牛の育成は、以下の3つの基本原則に基づいて行われます。

① 健康管理の徹底

  • 牛の病気やストレスを防ぎ、健やかな成長を促す。

② 適切な飼料と栄養バランス

  • 肉質を決定づける要因として、栄養価の高い飼料を適切に与える。

③ 環境の最適化

  • ストレスフリーな飼育環境を整え、牛の成長を促す。

これらを実践することで、高品質な牛肉を生産し、市場での競争力を高めることができます。


2. 食用牛育成(牧場)の鉄則

鉄則① 健康管理の徹底

牛の健康を守ることは、育成の最も基本的かつ重要な要素です。病気やストレスが牛に与える影響は大きく、肉質の低下や生産効率の悪化につながります。

適切なワクチン接種・感染症予防

  • 牛はウイルスや細菌に感染しやすいため、定期的なワクチン接種が必須。
  • 代表的な予防すべき病気:口蹄疫(こうていえき)、牛ウイルス性下痢症(BVD)、肺炎 など。

ストレスの軽減

  • 牛はストレスを受けると、免疫力が低下し、病気になりやすくなる
  • 人間の接し方、放牧環境、温度管理などを適切に行う。

適切な運動の確保

  • 放牧を取り入れることで、筋肉の発達を促し、健康な肉質を形成できる。
  • 特に黒毛和牛では、適度な運動が霜降り(サシ)の形成に重要。

🚨 注意点

  • 牛がストレスを受けると、硬い筋肉が形成され、肉質が落ちる
  • 急激な気温変化や騒音環境は避ける。

鉄則② 適切な飼料と栄養バランス

飼料は、牛の成長や肉の味に大きな影響を与えます。特に和牛は、飼料の内容が肉の甘みや霜降りの質を左右するため、細かい管理が求められます。

成長段階に応じた飼料の設計

  1. 哺育期(生後0~3ヶ月)

    • 初乳(母乳)を十分に摂取させ、免疫力を高める。
    • 早めに「スターター飼料(栄養価の高いペレット)」を導入し、胃の発達を促す。
  2. 育成期(生後3~10ヶ月)

    • 繊維質(牧草・乾草)を多く含む飼料を与え、消化器官を発達させる。
  3. 肥育期(生後10ヶ月~出荷前)

    • 穀物中心の飼料(トウモロコシ、大豆かす、ふすま)を増やし、脂肪を蓄積させる。
    • ビール粕やオリーブ粕を混ぜることで、肉質の向上につながる。

こだわりの「特別飼料」

  • 但馬牛(神戸牛)→ 酒粕を配合し、風味を強化。
  • 松阪牛 → 大豆・トウモロコシ中心で霜降りを増やす。
  • 飛騨牛 → ミネラル豊富な天然水を与え、肉質を柔らかくする。

🚨 注意点

  • 栄養バランスが崩れると、脂肪がつきすぎたり、肉質が硬くなったりする。
  • 飼料の品質管理を徹底し、カビや有害物質の混入を防ぐ。

鉄則③ ストレスフリーな環境の確保

牛はストレスを感じると、肉質が低下し、病気になりやすくなるため、牧場環境の管理が重要です。

適切な飼育スペースの確保

  • 1頭あたりの適正スペースを確保(約5~10㎡)し、牛同士の接触ストレスを軽減。
  • 過密飼育を避け、十分な運動スペースを確保する。

温度と湿度管理

  • 夏場は遮光シェルターや冷却ファンを設置し、熱ストレスを防ぐ
  • 冬場は適度な保温対策を施し、寒さによる成長遅延を防ぐ。

静かな環境の確保

  • 大きな騒音や急な環境変化は牛にとって大きなストレス。
  • トラックや機械音が多いエリアでは、防音対策を行う。

🚨 注意点

  • 環境が悪いと、牛が攻撃的になり、ケガや肉質低下の原因になる。
  • 衛生管理を怠ると、病原菌が繁殖しやすくなる。

3. まとめ

食用牛の育成(牧場運営)は、適切な健康管理・飼料・環境の3つの要素を徹底することで、高品質な牛肉を生産できる

鉄則① 健康管理の徹底

  • 定期的なワクチン接種、適切な運動、ストレス軽減。

鉄則② 適切な飼料と栄養バランス

  • 成長段階に応じた飼料管理と、高品質な特別飼料の導入。

鉄則③ ストレスフリーな環境の確保

  • 飼育スペース・温湿度管理・騒音対策を適切に行う。

これらの鉄則を守ることで、牛は健康に育ち、最高級の肉質を持つ「和牛ブランド」として市場で高い評価を受けることができる。持続可能な畜産の実現と、国際競争力の向上のためにも、最新技術と伝統的な飼育方法を融合させながら、より良い牧場運営を目指していくことが求められる

 

 

鷲頭牧場では、畜産をもとにした加工や販売も行う6次産業型の牧場を運営しています!
私たちの牧場は、九州の「屋根」とも呼ばれるくじゅう連山のふもと、標高1000mの飯田高原にあります。ここで育てた安全で安心な食材を、農家レストランで直接みなさんにお届けしています。

広々とした自然いっぱいの牧場で、四季の移り変わりを楽しみながら、かわいい子牛や山羊、馬、猫たちがみなさんをお待ちしています!雄大な景色と元気いっぱいの動物たちの笑顔に、どうぞ癒されてくださいね。

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